ベトナムに人を送る、あるいは現地で採用する。いずれの場合も、個人所得税(PIT:Personal Income Tax)の取り扱いは避けて通れません。居住者か非居住者かの判定、累進税率、申告実務まで、基本を押さえておくことで、駐在員の手取り設計や人件費の見積もりが正確になります。本稿でその要点を整理します。

居住者と非居住者の判定

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ベトナムの税務上、暦年で183日以上滞在するなど一定の要件を満たすと「居住者」と判定され、全世界所得が課税対象となります。一方、非居住者はベトナム国内源泉所得のみが対象で、原則として一律の税率が適用されます。駐在の長さや滞在パターンによって課税範囲が変わるため、赴任前の確認が重要です。

累進税率の仕組み

居住者の給与所得には、課税所得の水準に応じて段階的に税率が上がる累進課税が適用されます。所得が高くなるほど限界税率が上がるため、駐在員の報酬パッケージを設計する際は、額面だけでなく税引後の手取りを意識した試算が欠かせません。

課税所得の範囲と控除

給与・賞与のほか、住宅手当や各種の現物給与も課税対象に含まれる場合があります。一方で、本人控除や扶養控除、社会保険料などの一定の控除も認められています。何が課税対象で何が控除可能かを正しく区分することが、適正な納税と無用なリスク回避につながります。

申告・納付の実務

多くの場合、雇用主が源泉徴収を行い、月次で納付したうえで年次の確定申告を行います。駐在員については、母国との租税条約や社会保障協定の有無も手取りに影響します。申告漏れや区分の誤りは追徴の対象となるため、現地の会計・税務体制の整備が前提となります。

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まとめ

個人所得税は、人材を巡るコストとコンプライアンスの両面に直結します。居住者判定・累進税率・課税範囲を正しく理解し、報酬設計と申告実務を一体で整えることが重要です。駐在員の派遣や現地採用を本格化する前に、税務の専門家とともに体制を固めておくことをお勧めします。